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November 15, 2006
英イルフォード社が管財人の管理下におかれ、工場従業員の解雇や社の売却が検討されているというニュースに戦慄を感じたのは2004年の9月のことでした。その後05年2月に管財人管理下より脱し、Harman Technology社のILFORD Photoブランドとして、世界の市場に再びフィルムや印画紙をはじめとする商品が供給されるニュースに触れたときの安堵感は今でも思い出すことができます。
そのイルフォード・ショックともいうべき時期に、超高感度フィルムであるDELTA 3200、その他諸々の同社商品を常用していた僕としては、イルフォード無き後の代替を真剣に考えたのは言うまでもありません。そこでDELTA 3200の代わりにKodak T-MAX P3200を。増感に効果絶大な微粒子軟調現像液であるMICROPHENに代えてKodak X-tolを候補にあげ、テストを開始しました。そのT-MAX P3200とX-tolの組み合わせは、なかなか感度面での満足が得られず、結局テストの後、一度だけ実践投入したきりで以降使用することはなくなってしまいました。上記のようにILFORD Photoブランドが世に残ってくれたのが最大の理由でもあります。
(ところがその後、日本国内のみ、ライセンサーである中外写真薬品さんの販売品目からMICROPHENが消えてしまったときはまいりました。DELTA 3200を超高感度域で使用するにはMICROPHENしかないと考えているので、その代用は自家調合することで得、現在に至っております。)
ところでKodak X-tolという現像液ですが、その後のテストと実践において、たいへん良好な結果をもたらし今ではEI 200からEI 1600に至る各露光指数値において、Fuji 400 Prestや1600 Super Prestなどのフィルムの標準現像液として常時ストックするようになりました。
Kodak X-tol。このパッケージ現像剤は従来のPQ (=phenidone+hydroquinone)、MQ (=metol+hydroquinone)タイプ現像剤とは違い、ハイドロキノンを使わず、イソアスコルビン酸ナトリウムでその代替をしているタイプで、フジドールEと同じ系列に分類されるでしょう。少し環境に優しいということになりますでしょうか。そしてこのアスコルビン酸はハイドロキノンより感度を得やすいとのこと。
コダックの資料によるとX-tolは、粒状性でD76を凌駕し、マイクロドール-Xに次ぐ微粒子。シャープネスはコダック・ラインナップで1番とされています。(特に希釈使用時において高いシャープネス効果を得られる。) 参考。 (まあメーカーの資料ですから、あとは使いこなしかと思いますが、、、)
データシート(日本語版)はこちら
僕は現在、このX-tolの使用においては1:1から1:3まで、必ずや希釈して使用しております。最大の理由はやはり希釈によって得られるシャープネス効果を期待してのこと。
基本的には1:1希釈をベースに考えており、現像進行が速いFuji 1600 Super Prest(EI 800 と 1600)においては現像結果を安定させるためにある程度の処理時間をかけられる1:3希釈を採用しております。これは画質的な面でもたいへん満足しております。攪拌はイルフォード式標準攪拌(毎分10秒間に4回の倒立攪拌)です。
粉末の溶解・保存
最近、保存液2リットル用の小パッケージが登場しましたが、以前は5リットル用しかなく、僕はポリバケツを使って溶解していました。掻き混ぜ棒も、キッチン用泡立て器を利用。もちろん泡立てるのではなく、やさしく混ぜてあげます。
さて、パッケージはA剤と、B剤の2つに分かれています。
まずA剤を溶かしてゆくのですが「常温でよく溶けます」と謳っている薬剤であるのに最後の数粒、結晶のように固まり残ったものだけはいつもなかなか溶けませんので、それらは無視しています(最後保存ビンに移すときにろ過しています)。そしてこのA剤、溶かすとその水溶液は濃い黄色?茶色?に変色しますが、異常ではありません。
次にB剤をバサバサと放り込みます。すると、あら不思議。いままで黄濁していた水溶液がサーっと透明(実際この段階ではパートB剤が溶けきっていないので白濁としているのですが)になっていきます。こちらはA剤より溶け易く、すぐに無色透明の水溶液となります。
最後に水を注ぎ足し、規定量の保存液として出来あがりです。
さて保存液は小分けし、1本1本完全に満タンとし=空気が貯蔵ビン内に残らないようにして密栓することをお勧めします。
貯蔵ビン内に空気が入っている場合の使用期限は2ヶ月ですが、空気が入っていなければ6ヶ月保存できるとのことです。(抗酸化効果処理を施され保存期間が長いのもX-tolの「売り」のひとつのようです。)
個人的に低感度~中庸感度域(例えばFuji Acrosなど)では使用してはいないのですが、きちんとテストをすれば充分に期待に応えてくれるパフォーマンスはしてくれるのではないかと思います。よって様々な感度域で、満足できる現像結果をもたらしてくれる標準現像液として、お勧めできるパッケージであります。
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posted by mniijima : November 15, 2006 5:36 PM
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comments
まだフィート缶があるうちに、というのもありますが、実はAcross the Street Soundsの最近の写真を見てからFuji 1600 Super Prestoを買い求めた私です。
お散歩お供のGR1sは1/500がMAXですのでEIは400で撮っています。
現像液もお勧めのX-tolを買ってきました。
Niijimaさんの様に撮れてプリントできたら最高なんですけど、ね。
by やっ : November 9, 2007 1:19 PM
やっさん、
Super Prestoを使い始めたのですね。このフィルムはとても良いフィルムで、日中でも常用しています。
ところが最初の頃は現像がうまくゆかず、すっごく強いコントラストになっていましたが、テストを重ねて最近の絵になっています。
気に入ってくださったという(ありがとです!)白っぽい壁に、濃い葉っぱの写真も、このフィルムです。
あっさりめで、現像することをお勧めします。
by M.Niijima : November 9, 2007 7:32 PM
追記です。
僕の現像では、けっこう微粒子にもなっていますが、それでも、やはり粒子は大きいです。
あくまでも超高感度フィルムですからね。
by M.Niijima : November 9, 2007 8:00 PM